需給動向 国内

◆豚 肉◆

平成24年5月の仲間相場、輸入冷凍品が上昇


◇絵でみる需給動向◇


輸入豚肉の仲間相場、冷蔵品横ばい、冷凍品上昇

 機構の「食肉市況調査」によると、平成24年5月の輸入豚肉冷凍品の仲間相場(卸売業者間の取引価格)は、中・低価格部位を中心に前年同月に比べかなり大きく上昇した。これは、4月からの輸入通関審査強化の影響で、4月の冷凍品輸入量が大幅に減少し、今後の買付けに対する不安が高まったことが背景にあるとみられる(前月号を参照)。国別部位別に見ると、デンマーク産ばらがキログラム当たり594円(前年同月比15.1%高)、カナダ産ももが同472円(同12.4%高)、米国産うでが同443円(同12.2%高)などとなった。なお、輸入豚肉冷蔵品については、毎月ほぼ一定の数量が輸入されており、米国産ロースが同598円(同0.3%高)、米国産ばらが同614円(同1.3%安)などと、小幅な値動きにとどまった(図3)。
図3 輸入品の仲間相場の推移
資料:農畜産業振興機構「食肉市況調査」
 注:月2回の調査の単純平均

国産豚肉の仲間相場、冷蔵品、冷凍品ともに下落

 一方、平成24年5月の国産豚肉冷蔵品の仲間相場は、5月の卸売価格が同454円(同7.3%安)と、低調に推移している枝肉相場に連動して推移し、ロースが同850円(同4.2%安)、ばらが同769円(同10.4%安)などとなった。これは、5月の豚肉生産量(部分肉ベース)が7万6167トン(同7.8%増)と増加したこと、GWの需要が例年ほど強まらず、その後の補充買いも少なかったことなどが背景にあるとみられる。なお、国産豚肉冷凍品についても、ばらが同662円(同15.7%安)、うでが同438円(同10.8%安)などと、前年同月に比べ下落しており、輸入冷凍品からの代替需要は強くなかったとみられる(図4)。

6月の輸入冷凍品の仲間相場、下落に転じる見込み

 今後の仲間相場の見通しとしては、国産豚肉については、例年通り国産枝肉相場の上昇に伴い、上昇傾向で推移すると見込まれる。輸入冷蔵品については、毎月安定的な数量が輸入されていることから、変動は少ないと予想されるが、輸入冷凍品については、5月の冷凍品輸入量が前月比60.8%増の5万577トンと急増しており、中元に向けた加工品手当てが終わり需要も弱まることから、下落に転じると見込まれるため、特に注視が必要である。

図4 枝肉卸売価格および国産品の仲間相場の推移
資料:農林水産省「食肉鶏卵速報」、農畜産業振興機構「食肉市況調査」
注1:枝肉卸売価格は東京・大阪市場の省令規格加重平均
注2:仲間相場は月2回の調査の単純平均


元のページに戻る