需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

脱脂粉乳、バターの在庫量は減少、大口需要者価格は9カ月連続で上昇


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「牛乳乳製品統計」によると、脱脂粉乳の月末在庫量は6カ月連続で減少し、平成23年11月には、前月に比べ1,302トン減の3万9,091トン(前年同月比30.6%減)となった。生産量は1万371トン(同3.5%減)とやや減少したため、推定出回り量は1万1,695トン(同3.5%減)の減少となった。

 また、バターの月末在庫量は、3カ月連続で減少し、23年11月には1万8,561トン(同23.9%減)となった。生産量は、4,185トン(同10.9%減)とかなり減少したことから、推定出回り量は、5,965トン(同22.1%減)と大幅に減少した。

 脱脂粉乳、バターの月末在庫量の減少については、乳製品の最需要期である12月へ向けて需要の増加と、生乳生産量の回復が遅れる中、乳製品の中でも需要が堅調な生クリーム等向け及びチーズへの仕向け量が伸びたことにより、特定乳製品向け処理量がさらに減少したことによるものである。

 在庫量の減少が続く中、脱脂粉乳及びバターの大口需要者向け価格は、ともに9カ月連続で上昇し、脱脂粉乳が25キログラム当たり15,140円(同3.9%高)、バターはキログラム当たり1,133円(同7.9%高)となった(図5、6)。

図5 脱脂粉乳の在庫量と価格の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」
図6 バターの在庫量と価格の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」

 23年度第4四半期の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しについては、(社)日本酪農乳業協会がまとめた12月9日公表資料によると、24年1月から3月のバター及び脱脂粉乳の生産量は、前年度を上回って推移すると見込まれる。これは、生乳生産量が、北海道における分娩頭数の増加見込みや、都府県において震災の影響からの回復により、増加が見込まれることによる。脱脂粉乳の在庫量は、23年12月末の41万9千トンから、24年3月末には49万3千トンへ、バターの在庫量は、23年12月末の17万3千トンから、24年3月末には19万9千トンへ、それぞれ積増しするものと予測されている。


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