2011年11月の豚枝肉卸売価格、前年同月比16.3%高
欧州委員会によると、EUにおける11月の豚枝肉卸売価格は100キログラム当たり159.80ユーロ(約16,939円、1ユーロ=106円)と2カ月連続で上昇し、前年同月と比べ16.3%高となった。例年、豚枝肉卸売価格は春先から夏季の需要期に向けて上昇し、その後下落する傾向にある。しかし、2011年においては夏季の需要期が終了しても価格は下がらず、高水準で推移している。
図6 豚枝肉卸売価格の推移
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資料:欧州委員会
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2011年1〜9月の豚肉輸出量、前年同期比22.0%増
EUの豚枝肉卸売価格が高水準にある要因として、好調な域外輸出が挙げられる。EUにおける2011年1〜9月の豚肉輸出量(生体、内臓肉などを含む)は237万3957トン(製品重量ベース、前年同期比22.0%増)と前年同期と比べ大幅に増加した。これは、ユーロの為替レート低下などにより、EUと米国、カナダ、ブラジルなどの主要豚肉輸出国との価格差が縮小し、EU産の競争力が高まったためとみられる。
図7 主要豚肉輸出国における豚枝肉卸売価格の推移
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資料:欧州委員会
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域外輸出のなかでも、中国および韓国向け輸出が大幅に増加している。2011年1〜9月の中国向け輸出量(香港向けを含む)は67万2966トン(前年同期比54.1%増)と前年を大幅に上回った。中国では、消費量の増加に国内生産が追い付かず、輸入需要が高まっている。これまで中国向け輸出の大半は安価な内臓肉であったが、最近では同国の経済発展などを背景に冷蔵・冷凍豚肉の輸出も増加している。また、韓国向け輸出量は15万4358トン(同112.5%増)と前年の2倍以上の増加となった。これは、同国で大規模に発生した口蹄疫による豚肉需給のひっ迫を受け、輸入が増加したことによるものである。
表1 域外向け豚肉輸出量(2011年1〜9月)
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(トン、製品重量ベース)
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資料:欧州委員会
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そのほかの輸出先も全体的に増加傾向となっており、ロシア向けは64万117トン(同4.5%増)、日本向けは17万4473トン(同2.8%増)となった。唯一減少したウクライナ向けは、8万1256トン(同19.1%減)と前年を大幅に下回った。これは、同国が国内生産の増加に取り組んだ影響と考えられる。
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