需給動向 国内 |
2月の牛肉需給状況は、農林水産省「食肉流通統計」によると、牛肉生産量は、4万969トン(前年同月比7.1%増)となった。内訳を見ると、和牛が1万7636トン(同9.5%増)、乳用牛が1万4331トン(同12.4%増)トン、交雑種が8,388トン(同4.0%減)となった。 国産品の推定期末在庫(機構調べ)は、前年同月をやや上回る1万1566トン(同4.7%増)となった。また、財務省「貿易統計」によると、2月の牛肉輸入量は4万66トン(前年同月比8.5%増)とかなりの程度増加したことを受け、輸入品の推定期末在庫は前年同月をやや上回る7万5516トン(同5.8%増)となり、国産品と輸入品を合わせた期末在庫は、19カ月連続して前年同月を上回る8万7082トン(同5.7%増)となっている。 その結果、推定出回り量(機構調べ)は8万7082トン(前年同月比5.7%増)と2カ月連続して前年を上回っており、牛肉需要はある程度回復に転じていると考えられる。 このような状況の下、2月の枝肉価格は、東京市場では和去勢A−4が1,497円(前年同月比14.5%安)、交雑去勢B−3が940円(同23.9%安)、乳去勢B−2が273円(同59.6%安)となり、低い肉質等級ほど苦戦している状況にある。大阪市場も同様に、和去勢A−4が1,642円(同4.6%安)、交雑去勢B−3が1,029円(同16.1%安)と、下落幅は東京市場より少ないものの前年割れが続いている(図1)。
総務省の「家計調査報告」によると、2月における一人当たりの牛肉消費は、消費量が前年同月比2.9%増の172グラムと2カ月連続で増加し、回復の兆しが見られたものの、購入金額については同0.4%安の476円と2カ月連続で下落となった。こうした下落は、景気低迷が続く中、サーロインなど高級部位の販売が不振だったことが要因と考えられ、価格低迷状況を反映する結果となった。 しかし、3月の枝肉価格(東京市場、速報値)は、和去勢がA-4が1,547円(前年同月比9.4%安)、交雑去勢B-3が920円(同23.5%安)、乳去勢B-2が413円(同36.0%安)となり、それぞれ前年同月を下回ったものの、和去勢と乳去勢については、前月をそれぞれ50円、140円上回って推移しており、相場回復の兆しも見え始めている。今後の行楽・バーベキュー需要に期待したいところである。 |
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