需給動向 国内


◆牛 肉◆

平成24年8月の期末在庫量、10万トン超の高水準

◇絵でみる需給動向◇


約10年振りの10万トン超え

 平成24年8月の牛肉推定期末在庫量(部分肉ベース)は、前年同月をかなりの程度上回る10万6116トン(前年同月比6.8%増)と、10万トンの大台を超えた。同在庫量は、例年、6月頃から積み増しが進み、8月頃にピークを迎えた後、年末年始の最需要期後に減少するというサイクルにあるが、10万トンを超えるという水準は、平成14年11月以来となっている。

 在庫量の内訳を見ると、全体の約9割を占める輸入品在庫は、前月から1万2000トン程度積み増された結果、9万3312トン(同6.8%増)となった。輸入品在庫が9万トンを超えたのは、平成14年9月以来のこととなる。この要因としては、8月の輸入量が5万7367トン(同21.6%増)と、前月から7,000トン程度増加したことによるものとみられる。なお、全体の約1割を占める国産品在庫は、前月から4,000トン程度取り崩しが進み、1万2804トンとなっている(図1)。
図1 牛肉在庫量、輸入量の推移
資料:財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構
  注:数量は部分肉ベース。輸入量は煮沸肉並びにくず肉のうちほほ肉及び頭肉のみ含む。

 

輸入量は大幅に増加

 8月の輸入量の内訳を見ると、冷蔵品が前月並みの2万983トン(前年同月比20.7%増)、冷凍品が3万6330トン(同22.2%増)、国別に見ても、全体の約6割を占める豪州産が3万2465トン(同11.8%増)、米国産が1万6775トン(同33.2%増)と、いずれも増加基調となっている。

 高水準にある輸入品在庫について、当機構が毎月実施している牛肉輸入動向検討委員会の検討結果を踏まえると、(1)豪州産については、輸入商社が春先に契約した牛肉のうち、生産・輸送が遅延していたものが8月に入船し、通関数量が増えた、(2)米国産については、現地で20カ月齢未満の牛肉生産が増加する6〜7月期の契約数量が多かった、(3)輸入品在庫は部位別にバラつきがあり、挽材などの加工原料向けやチャックリブなどの在庫が積み増されている一方、カタ系などの焼き材は減少している、といった状況にあると思われる。

 今後の見通しについては、米国産牛肉の月齢緩和を見据えて年内の輸入が絞られることから、輸入品在庫は徐々に減少に向かうとの声もあった。


輸入牛肉卸売価格への影響は限定的か

 当機構の調査による輸入牛肉卸売価格(仲間相場)の推移をみると、豪州産フルセット(グラス)、豪州産カウミート(85CL)は、国内の原料系部位が不足していたことなどから春先に上昇したものの、6月以降横ばいで推移している。また、米国産チャックアイロールも同じく、4月頃に上昇した後、6月以降横ばいで推移している。一方、米国産ショートプレートは、現地生体高、現地パッカーの操業停止、ショートプレートの国内需要の高まりなどを受け国内需給がひっ迫し、昨年末から春先にかけて相場が急騰したものの、夏場以降、その反動や供給が落ち着いたことから、相場は下落に転じている(図2)。
図2 輸入牛肉卸売価格の推移
資料:農畜産業振興機構
  注:消費税は含まない
 仲間相場の価格動向に与える要因としては現地相場、国内需要などに加え、輸入在庫数量も大きい。しかしながら、米国産ショートプレートを除き、8月の仲間相場は比較的落ち着いて推移している。業界関係者の間では、現在の在庫数量は今後の需要を先取りしたもので、統計数値が示すほど在庫の圧迫感はなく、仲間相場に与える影響は限定的なものとの声もあるため、今後ともその動向に注目していきたい。


元のページに戻る