需給動向 国内

◆鶏 卵◆

平成25年4月のM玉卸売価格、前月に続き前年割れ


◇絵でみる需給動向◇


平成25年4月のM玉卸売価格は、前年同月比5.5%安

 平成25年4月における鶏卵のM玉卸売価格(東京)は、キログラム当たり172円(前年同月比5.5%安)と、先月に続き前年を下回った(全国農業協同組合連合会「畜産販売部情報」、図10)。他のサイズを見ると、L玉やLL玉などの大玉は、同167円(同0.6%高)、同162円(同3.8%高)と、いずれも前年を上回ったものの、上昇幅は縮小傾向にある。ここ半年は、加工向けを中心とした引き合いから、いずれの月も前年同月を1割ほど上回って推移していたが、ここに来てある程度落ち着いたとみられる。

 価格が下げ基調および上昇幅が縮小傾向である要因としては、生産量が増加しているためとみられる。業界関係者によると、各産地では生産に適した気候が続き、卵重も増加しているとのことである。

 こうした中、5月13日には、標準取引価格(キログラム当たり158円:全農たまご株式会社の東京市場と大阪市場において販売された規格卵の加重平均価格を基に算出)が安定基準価格(同159円)を下回ったことから、成鶏更新・空舎延長事業1が今年度初めて実施されることとなっており、夏場に向けて価格の上昇を期待したい。

※1 当該事業の内容については、畜産の情報2012年6月号を参照

図10 鶏卵の卸売価格の推移(前年同月比)
資料:全農「畜産販売部情報」
  注:価格は消費税を含まない。

家計消費量は低調が続く

 平成25年4月の鶏卵の家計消費量は、1人当たり821グラム(前年同月比6.6%減)となった(総務省「家計調査報告」※2、図11)。また、ここ半年(平成24年11月〜翌4月)の平均家計消費量も、同820グラム(前年同期比3.5%減)となり、2月頃より気温が例年に比べて高かったことを背景に鍋物向けの消費が減少したことが影響したとみられる。
図11 鶏卵の家計消費量の推移(前年同月比)
資料:総務省「家計調査報告」
 価格への影響は、生産量の増加が主な要因とみられるが、消費が伸び悩んでいることも後押ししたとみられる。

※2 総務省「家計調査報告」におけるデータは、全国の二人以上の世帯における一人
    当たり購入量・購入金額。

                               (畜産需給部需給業務課 岡田 岬)


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