需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

平成24年度の生乳生産量、7年ぶりに前年度を上回る


◇絵でみる需給動向◇


 平成24年度の生乳生産量は、760万7427トン(前年度比1.0%増)と、7年ぶりに前年度を上回った(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。月別に見ると、4月から11月までは8カ月連続で前年同月を上回り、12月以降は前年同月を下回った(図7)。
図7 全国の生乳生産量の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」

北海道、都府県共に増加

 地域別では、北海道が393万573トン(前年度比0.9%増)、都府県が367万6854トン(同1.0%増)となった。都府県での増加は、東日本大震災の影響により減少していた23年度の生産量への反動によるものであり、東北(同3.6%増)と関東(同1.0%増)では16年ぶりに前年度比でプラスとなった。

 また、過去10年間における北海道と都府県の生乳生産量のシェアの推移では、22年度に北海道が都府県を上回り、23年度に同シェアは52:48と、その差が拡大し、24年度も前年度並みの割合となった(図8)。
図8 地域別生乳生産量の推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」

牛乳等向けはわずかに減少

 生乳の用途別処理量では、牛乳等向け(注1)が401万684トン(前年度比1.8%減)、乳製品向け(注2)が353万8105トン(同4.5%増)となった(図9)。牛乳等向けの処理量が減少したのは、仕向け先として大きなウエイトを占める牛乳や加工乳・成分調整牛乳の生産量が減少したことが主な要因である。しかしながら、すべての品目が低調であったわけではなく、価格競争力の強い乳飲料や、機能性ヨーグルトとして注目されたはっ酵乳の生産量は依然として伸びており、これらの品目については平成24年度の生産量が過去最高となっている。
図9 生乳処理量の用途別シェアの推移
資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」
    農畜産業振興機構調べ

特定乳製品向けがかなり増加

 用途別処理量は、牛乳等向けの生乳需要が伸び悩んだ結果、乳製品向けの生乳処理量は増加した。内訳については、チーズ向けが48万4989トン(前年度比2.2%減)、クリーム等向けが127万6147トン(同2.1%増)とわずかな変動であったことから、特定乳製品向け(注3)が174万5158トン(同6.9%増)と増加した。この結果、バターや脱脂粉乳の生産量が増加し、低水準にあった国内の在庫は23年度と比べ回復傾向にある。

注1)牛乳、加工乳、成分調整牛乳、乳飲料、はっ酵乳等の生産に使用

注2)チーズ、生クリーム、バター、脱脂粉乳等の生産に使用

注3)バター、脱脂粉乳、練乳類、全粉乳等、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法
    にて規定されている品目の生産に使用


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