生乳生産量は3カ月連続で前年同月を上回る
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が7月19日に公表した「Milk Production」によると、2013年6月の生乳生産量は、前年同月比1.5パーセント増の768万トンとなり、3カ月連続で前年同月を上回った(図10)。
図10 生乳生産量の推移 |
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資料:USDA/NASS |
6月の生乳生産量を州別に見ると、主要23州のうち2州以外はすべて前年同月を上回った。減産となったのは、カリフォルニア州とミズーリ州で、特に全米の生乳生産量第1位で約20パーセントのシェアを占めるカリフォルニア州は、前年同月比0.8パーセント減の158万5000トンとなった。同州は、飼料原料を外部購入に頼る飼養形態であるため、飼料穀物価格高騰の影響により減産となっているが、直近3カ月はほぼ横ばいで推移している。
全米第2位で約13パーセントのシェアを占めるウィスコンシン州は、前年同月比1.8パーセント増の104万5000トンであった。
この増産要因は、2013年3月以降月別の飼養頭数や1頭当たりの乳量が公表されていないが、天候と搾乳牛の更新がある。昨年の気候に比べ、今年は搾乳牛にとって快適な気候であったことが考えられる。また、前年夏の干ばつによる搾乳牛の出荷促進などで、能力の低い搾乳牛のと畜が増加したことが大きい。
飼料コストの低下により、2014年の生乳生産量は増加と予測
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が7月17日に公表した「Livestock, Dairy, and Poultry Outlook」によると、2013年の生乳生産見通しについて、前年比0.8パーセント増の9162万6000トンと見込んでいる(表6)。最近、生乳生産量が増加していることから、USDAでは、2013年後半もわずかに増加するとし、前月の予測値から9万1000トン上方修正している。また、今後、飼料穀物の豊作が見込まれているため、秋以降飼料コストが下がるとし、2014年の生乳生産量を、2013年比1.2パーセント増の9276万トンと予測している。
表6 生乳生産量の推移
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資料:USDA |
(調査情報部 山ア 良人)
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