最近の米国チーズ需給動向


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 学校などの新学期に向けて需給が不均衡に ● ● ●

 米国農務省(USDA)によれば、2005年7月のチーズ生産量は、前年同月比で4.0%増の33万4千トンと、4月を除くすべての月で前年同月を上回って推移している。

 USDAによると、これから夏にかけて、暑さの影響で乳脂肪分および無脂固形分が減少する時期を迎えることから、チーズ生産は季節的に減少の時期を迎える。一方、まもなく新学期を迎え、学校などの需要の拡大が見込まれるが、現在のチーズ生産の水準はその需要を十分に賄い切れる水準にないことから、今後は供給のタイト感が強まるとされている。また、民間在庫も、需給の不均衡に備えて積み増す動きもあるとしている。

チーズ生産量の推移


● ● ● 卸売市場は価格の上昇に注視 ● ● ●

 チーズの卸売市場は若干の価格変動がありつつも、安定的に推移している。USDAによれば、2005年8月の米国チーズ卸売価格(ウィンスコン)は、前月比で1.3%安、前年同月比で3.3%安のポンド当たり201.8セントとなった。これは、買い手が、季節的な変動により価格が低水準になるのを見越して買い控えていることが背景にあり、市場の荷動きも低調な状態にある。しかし、まもなく新学期を迎え学校などの需要拡大が見込まれることから、チーズ需給がひっ迫し、価格が上昇することが期待され始めている。


● ● ● チーズ国際価格は依然高水準 ● ● ●

 チーズの国際価格は高水準で推移している。米国乳製品輸出協会 (USDEC)によれば、8月中旬のチェダーチーズ輸出価格は、トン当たり3,250〜3,300米ドル台で推移しており、前月と同水準となった。EUのチーズ市場も大きな値動きはなく、オセアニアのチーズ市場も底堅い。USDECによれば、国際的なチーズ需要が堅調であるのに対して、オセアニアの供給がひっ迫していることから、短期的には高値が持続するものとみている。

チーズ価格の推移

 


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