2006年の米国のチーズ卸売価格は、下降基調で推移する見込み


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 生産量増から、卸売価格は下降基調 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2004年/05年度の米国のチェダーチーズ卸売価格(ウィスコンシン)はポンド当たり200セント台と高水準で推移してきたが、2006年4月は、前年同月比9.7%安のポンド当たり188.1セント(約477円/キログラム:1ドル=115円)で、9カ月連続の下落となった。2005年の夏から拡大を続ける生乳生産量(左図参照)に後押しされてチーズの生産量も増加していることがその要因とされている。

チェダーチーズ価格の推移

資料:USDA

生乳とチーズの生産量

資料:USDA「Milk Production」、「Dairy Products」


● ● ● イタリアンタイプは、5年間で14.8%の伸び ● ● ●

 2005年のチーズ生産量は、前年比2.6%増の413万3千トン、2006年第1四半期のチーズ生産量は前年同期比1.8%増の104万5千トンとなった。2005年のチーズ生産量の内訳をみると、チェダーチーズが前年比1.4%増の138万2千トン、モッツアレラなどのイタリアンタイプが同4.0%増の172万7千トンとなった。特に、イタリアンタイプの伸びが顕著で2001年の150万5千トンから14.8%とかなり大幅に増加している。


● ● ● 民間在庫量も前年同月比9.0%増 ● ● ●

 USDAによると、2006年3月末現在のチーズ民間在庫量も例年より高水準で推移しており、前年同月比9.0%増の36万7千トンとなった。このような在庫量の増加と、生乳生産量拡大に伴ったチーズ生産量の増加から、2006年のチーズ卸売価格も下降基調で推移することが見込まれている。

チーズ生産量と民間在庫量の推移

資料:USDA「Cold Storage」


元のページに戻る