2006年の脱脂粉乳、バターともに生産量増加


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 輸出需要増加で、2006年の脱脂粉乳生産量は前年比3.5%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2006年の脱脂粉乳生産量は前年比3.5%増の55万7千トンとなった。これは、メキシコや東南アジア向けを中心に、好調な輸出が続いていることが要因とされる。近年の輸出実績を見ると、2001年には9万6千トンだったのに対し、2006年には29万トンにまで拡大している。USDAによると、特に2006年は豪州の干ばつやEUからの脱脂粉乳の供給量が不足したために、米国産への需要が一層高まったとされる。


● ● ● バター生産量も、1962年以降最大に ● ● ●

 脱脂粉乳の増加を受けて、バター生産量も増加傾向で推移し、2006年は前年比7.2%増の65万5千トンで、2年連続の60万トン台となった。USDAによると、これは1962年以降過去最大とされる。

 バターの生産は、例年生乳生産量が減少する夏場にかけて縮小し、需要の高まる冬(クリスマスシーズンなど)に向けて生産が増加するというパターンを描いている。2006年の生産動向を四半期ごとに見ると、夏場の生産量は例年どおり低水準で推移しているものの、第4四半期(10〜12月)と第1四半期(1〜3月)の伸び率が、それぞれ前年同期比8.0%増、同16%増と例年より高いことがわかる。これは、季節的需要に加えて脱脂粉乳の輸出需要増加に伴う、脱脂粉乳の生産量増加が要因の一つとされる。

バターの生産量の推移

資料: USDA「Dairy Products」


● ● ● 生産量増で、卸売価格は低迷 ● ● ●

 USDAによると、2006年のバター販売量(商業用)は、前年比4.5%増の64万9千トンと好調に推移した。

 一方、バター卸売価格は、すべての月で前年を下回って推移するなど、低迷した。バター販売量は好調であったものの、生産量がかなり増加し、供給過多となったことが価格を低下させた要因とされる。

バター販売量と卸売価格の推移

資料:USDA「U.S. Dairy at a glance」,「Dairy Market News」


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