2007年4〜8月の生乳生産量は前年同期比0.5%減


◇絵でみる需給動向◇


EU25カ国の生乳生産量は前年をやや下回って推移

 ドイツ市場価格情報センター(ZMP)によると、世界的な乳製品の需給ひっ迫など需要が好調にもかかわらず、EUの生乳生産量は新たな2007/08生乳年度(4〜3月)に入っても伸び悩んでおり、EU25カ国の4〜8月の生乳生産量は前年同期比で0.5%下回って推移している。

主要国における生乳生産量(4〜8月)の動向


特に伸び悩むフランス、イギリス

 EU全体の6割以上の生乳生産量を占める上位5カ国の生産動向を見ると、1位のドイツは、前年度は同国のクオータをわずかに上回ったが、今年度はほぼ同水準で推移しており前年同期比0.8%増となっている。また、毎年クオータを大きく上回るイタリアの生乳生産量は前年を上回っており、このままであれば例年どおり課徴金が課される可能性がある。

 一方、フランスおよびイギリスについては前年度(2006/07)の生乳生産量は、それぞれのクオータを63万6千トン、47万9千トン下回ったが、今年の生産量はさらにそれを下回って推移している。生産量が伸びない背景には、天候不順や飼料価格高騰による飼料組成の変化の影響、長引く乳価の低迷から離農が進んだことなどが大きな要因と考えられるが、イギリスの場合は、さらに7、8月に同国を襲った多雨による洪水などの被害の影響も大きい。

 このような中、フランス政府は9月下旬に、同国における生乳生産の拡大を目的として、今年度については各生産者がクオータの10%まで超過することを容認する決定を行っている。さらに条件が整えば、最大20%まで超過が可能とされているが、半年経過しての決定であり、その実効性は現時点で未知数である。


上昇するイギリスの乳価

 EUの生産者乳価は、通常、生乳生産のピークとなる5月を境に上昇するが、今年は例年を上回るペースで上昇を続けている。イギリスでは、8月の生産者乳価は1リットル当たり20.70ペンス(49円:1ペンス=2.35円)と前年同月の同17.60ペンス(41円)から17.6%も上昇している。この背景には、飼料価格の高騰などの生産コストの上昇に加え、生産量の伸び悩む中、乳業メーカーが生乳確保のために乳価を引き上げていることがあり、9月以降も乳業メーカーによる乳価引き上げのアナウンスが続いている。

イギリス生産者乳価の推移



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