2007年の脱脂粉乳卸売価格は高値で推移する見込み


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 国内外の需要増で、脱脂粉乳の在庫量減少 ● ● ●

  米国農務省(USDA)によると、2007年4月の脱脂粉乳の在庫量は前年同月比36.2%減の4万5千トンとなった。脱脂粉乳の在庫量は、2006年下半期(7〜12月)以降、過去5年間の平均値を大幅に下回るなど低水準で推移している。これは、2006年上半期(1〜6月)の脱脂粉乳輸出量が前年同期比14.7%減の14万8千トンだったのに対し、下半期になると同27.3%増の14万5千トンと大幅に増加したことに加えて、生産量も下半期以降前年同月を下回って推移していることなどが背景にあるとされる。

 USDAによると、このような活発な輸出と併せて、国内においても低脂肪高たんぱくなチーズ生産向けの脱脂粉乳需要があることなどから、2007年、2008年の国際的な脱脂粉乳の供給量はひっ迫することが予測されている。
 なお、2006年実績ベースでの世界の脱脂粉乳輸出量(約105万2千トン)に占める米国(29万3千トン)の割合は27.9%で首位となった。2003年には輸出第1位であったEUは、そのシェアを12.4%まで落としており、2007年も減少傾向が続くと見込まれている。


脱脂粉乳在庫量の推移

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」

 

世界の脱脂粉乳輸出量の推移

資料:FAS
注:2006年は概算値、2007年は予測値

 

● ● ● 2007年5月の脱脂粉乳卸売価格は、著しく高騰 ● ● ●

 USDAによると、米国の脱脂粉乳卸売価格(西部のFOB価格)は、生産量、在庫量がともに低水準で推移していることなどから、2006年10月以降一貫して前年同月を上回って推移しており、2007年5月も前年同月比で2倍以上のポンド当たり189.6セント(キログラム当たり514円:1ドル=123円)と過去最高値となった。また、脱脂粉乳国際価格も同様に、これまでで最高のトン当たり4,700ドル(57万8千円)まで上昇しており、国際的な粉乳の需要が堅調な中、EU、豪州からの輸出量減少が国際的な供給不足を招いている。このようなことから、2007年の脱脂粉乳卸売価格は、前年比55.0〜59.5%高のポンド当たり137.5〜141.5セント(キログラム当たり373〜384円)が見込まれている。

脱脂粉乳卸売価格の推移
資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」


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