ALIC/WEEKLY

週報「海外駐在員情報」


平成16年3月23日号(通巻618号)


欧州委、食品と飼料に関する早期警戒システムの実施状況報告を公表(full story)

◎ 豚肉への輸出補助金を停止

【ブリュッセル駐在員 関 将弘 平成16年3月17日発】  欧州委員会は3月8日、食品と飼料に
関する早期警戒システム(Rapid Alert System for Food and feed)の2003年の実施状況に関
する報告書を公表した。この報告書によれば、迅速な措置を要する警戒通知において、食肉、肉製
品に係るものが、魚介類とともに、警告通知全体のそれぞれ21%を占め、最も通知が多い食品とな
っている。危険の種類では、化学物質汚染に関するもの、微生物汚染に関するものが警戒通知全体
のそれぞれ36%、31%を占めている。

米国内で初のBSE発生(その6)(full story)

【ワシントン駐在員 犬飼 史郎 平成16年3月17日発】 ベネマン米農務長官は3月15日、牛海
綿状脳症(BSE)に関するサーベイランスの頭数を現行の4万頭から大幅に拡大する方針を公表
した。今回のサーベイランスの拡大は、2月4日に公表された海外家畜疾病諮問委員会BSE・小
委員会の勧告ならびに、ハーバード・リスクアセスメントセンターから米農務省(USDA)のサ
ーベイランス拡大案に対して3月12日に提出されたコメントを踏まえたものである。具体的には本
年6月以降12カ月から18カ月の間、歩行困難牛等のリスクの高い集団について可能な限り多くの検
査を実施するとともに、別途正常な高齢牛についても2万頭サンプリングを行うとしている。サー
ベイランスの強化に伴い必要となる費用については、商品金融公社から7,000万ドル(77億7,000
円、1ドル=111円)を移管する。

豪州、米国通商代表発言に批判(full story)

【シドニー駐在員 粂川 俊一 平成16年3月17日発】 豪州肉牛協議会(CCA)は3月12日、
ゼーリック米国通商代表部(USTR)代表が同月9日の上院財政委員会で豪州産牛肉の品質を
「筋っぽい(stringy)」と批評し、日本人は豪州産牛肉を好まないとの推論を証言したとの報
道について、同代表の発言は事実無根で極めて失望的として即刻の謝罪を要求する声明を発表し
た。連邦政府のトラス農相や豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)も同代表の発言に批判的な声
明を出しており、米国の牛海綿状脳症(BSE)問題については、豪州は官民とも米国の置かれ
た立場に十分な配慮を見せていただけに、極めて心外な発言だったようだ。

官民合同の複合モデル農場事業開始(マレーシア)(full story)

【シンガポール駐在員 木田 秀一郎 平成16年3月18日発】  マレーシア南部ジョホール州で
建設が進められていた大規模複合農場が2月、本格的に事業を開始した。このプロジェクトは同
国のマハティール前首相の発案によるもので、2月12日に行われたオープニングセレモニーには
アブドラ首相をはじめ関係閣僚などが出席し、同国初の大規模複合モデル農場として食料自給率
向上と輸入依存体質からの脱却の可能性を探る国家事業であるとして期待と抱負を語った。同プ
ロジェクトの参加企業20社のうち、畜産関連は4社となっている。

ブラジルとアルゼンチンにおける乳製品価格をめぐる紛争(full story)

【ブエノスアイレス駐在員 犬塚 明伸 平成16年3月17日発】  ブラジル政府はアルゼンチンの輸出
乳業メーカー8社と、粉乳に係るアンチダンピング課税を避けるための価格協定を結んでいたが、
その協定の満了期限が迫っていた。このような中、ブラジル開発商工省は2月20日、「価格協定
について再検討するための交渉を開始する」ことを発表し、協定の見直しに要する期間を12カ月
間、かつその期間中は価格協定が継続して適用されるとした。これに対しアルゼンチンの輸出乳
業メーカーは、見直しに要する期間の短縮を求めている。

 

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