週報「海外駐在員情報」


平成19年11月27日号(通巻793号)


◎欧州委、CAPのヘルスチェックの原案を公表 (full story)  
                                                             
【ブリュッセル駐在員 小林 奈穂美 平成19年11月21日発】欧州委員会は11月20日、共通農業政策(CAP)の中間
検証作業として行う「ヘルスチェック」の原案を公表した。今回の案では、直接支払いの簡素化の検証、市場政策の
見直しおよび気候変動などに対する新たな政策を検証することとなっている。その中で、生乳クオータ制度は2015年
に廃止することが盛り込まれており、これを円滑に進めるため、2015年までのクオータを毎年徐々に増加させること
を提案している。     

◎米国における主要畜産物の短期的な需給見通し (full story)

【ワシントン駐在員  唐澤 哲也 平成19年11月21日発】インフォーマ・エコノミックス社は11月15〜16日、「農畜産
物需給観測会議」を開催し、主要農畜産物の短期的な需給見通しを公表した。これによると、2008年の生乳生産は、
酪農経営の収益性の改善に伴う乳牛飼養頭数の増加などにより、前年を2%程度上回るものと見込まれている。また、
同年の牛肉生産は、干ばつや飼料コスト高の影響による米国内の肉牛生産の伸び悩みなどにより、本年とほぼ同水準
となる一方、豚肉生産は、中国向けなど輸出のさらなる増大が予測されることなどから、本年を3%程度上回るもの
と見込まれている。   

◎NZ大手乳業、2010年の株式上場計画を提案 (full story)                                
 
【シドニー駐在員  井田 俊二 平成19年11月22日発】NZ乳業大手フォンテラは11月15日、現在、同酪農協が保有す
るすべての資産および負債を新たに設立する別会社に移行し、早ければ2010年半ばに新会社の株式をNZ証券取引所
に上場する計画を提案した。新たな資本の導入により豊富な資金を安定的に調達し、国際市場でさらなる競争力を確
保することを目的としている。今後、実現までには、出資者である酪農家の2度の投票による承認が必要となる。

◎農業生産は好調を維持(フィリピン)(full story)

【シンガポール駐在員 林 義隆 平成19年11月22日発】フィリピン農務省農業統計局は11月14日、2007年1〜9月ま
での農業生産状況を公表した。家きん部門の生産量がほぼ前年並みとなったほかは、作物、水産、家畜部門の生産量
は前年同期を上回った。                                                                                
  今期の農業生産については、乾期が例年より長引いた影響が懸念されたものの、ハイブリッド種の作付面積が増加
したことなどにより、トウモロコシの生産量が前年同期比9.5%増となるなど、全体として上半期に引き続き好調を
維持している。    

◎袋サイロによる穀物保管が普及(アルゼンチン その2)(full story)

【ブエノスアイレス駐在員 松本 隆志 平成19年11月19日発】袋サイロで保管すれば、1年間以上にわたりほ場で穀物を保
管することが可能である。これは、袋詰後52日で袋サイロ内の酸素のほとんどが二酸化炭素に置き換わり、外気温に
対し、袋サイロ内の穀物はなだらかな温度変化となるためである。袋サイロ販売を行うイペサ社は、今後の見通しに
ついて、「水分調整をカントリーエレベーターで行い、その周りに袋サイロが置かれるような例がますます増えてく
るのではないか」と話している。   

元のページへ戻る