ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2008年 > 穀物価格の低下により農業信託組織(農業ファンド)の収益も低下 (アルゼンチン)
(質問) | 農業ストが農業信託組織に与えた影響は。 |
(回答) | 農業ストの引き金となった政府の輸出税の引き上げは、生産者だけでなく輸出業者や市場関係者などの収益の低下にもつながることから、農業関係者は皆、生産者団体を応援した。このため農業ストの間は、生産者団体会員ではない経営も含めて出荷を停止した。 |
(質問) | 春の降雨不足による今年度の作物生産への影響は。 |
(回答) | 小麦は農業ストによる物流の停滞、は種期の降雨不足の影響で作付面積が減少している。トウモロコシも、は種期の降雨不足の影響による作付けの遅れ、肥料費などの上昇により作付面積が減少している。トウモロコシの生育については、10月に入って適度な降雨があったことから順調である。 これらのことから、政府が望む方向とは逆に、小麦、トウモロコシの生産量が減少し、その分大豆の生産量が増加する見込みである。 |
(質問) | 最近の穀物価格の低下が農業信託組織の収益に与える影響は。 |
(回答) | 借地で農業を行っている経営は、規模を問わず現状の穀物価格では赤字である。しかしながら、農業は1年単位の収益で判断する産業ではないと考えている。このため、当社は借地契約の多くを4〜6月に行ったが、借地契約を見直し要請を行っていない。 |
(質問) | 穀物価格が低下する中、農業信託組織の活動は衰えていくのか。 |
(回答) | 活動を停止する農業信託組織も出てくるであろう。しかし、当社はこれを好機と捉え、借地面積を拡大していきたいと考えている。またメルコスルを中心に、各国から農業信託組織の仕組みについて調査する関係者の来訪が増えている。将来的には、これらの国で事業を展開する可能性もあると考えている。 |
(質問) | 金融危機により、農業信託組織の資金の回収は起こっていないか。 |
(回答) | 資金の回収は起こっていないが、新たな投資は無くなった。穀物価格が下落すれば、土地価格も低下するので借地にかかる費用は少なくなる。投資家には、農業は1年単位の収益で判断する産業ではないと説明している。 |