欧州委員会の発表によれば、EU加盟国は11日、既報(
http://lin.alic.go.jp/alic/week/2008/eu/eu20081210.htm)のとおりダイオキシン汚染問題で危機に陥っているアイルランド豚肉産業を救済するため、汚染されていないアイルランド産豚肉について、最長6カ月間、最大3万トンの規模でEUに造成された基金を原資とした民間在庫補助の対象とすることを満場一致で採択した。この措置は総額1千5百万ユーロ(約18億円、1ユーロ=117円)の規模とされ、数日以内に施行されるとみられる。
アイルランド政府も、欧州食品安全機関(EFSA)が10日に公表したリスク評価結果により、実質的にアイルランド産豚肉の流通再開にお墨付きが与えられた形となったことから、問題の発覚(6日)より操業停止状態にあった国内の食肉処理施設について獣医官による監視の強化と汚染飼料を給与されていない豚由来である旨の表示を前提に、11日より再開することを発表した。これらの措置によりアイルランド国内で豚肉生産が滞るという最悪の結果は回避できる見込みとなった。
なお、アイルランド政府はこれまで、汚染が始まったと推定される2008年9月1日以降12月7日までに国内で生産された豚肉およびそれらの製品(以下「豚肉など」という。)をすべて市場から隔離し、汚染飼料を給与した可能性のある豚をすべて処分するという方針を示していたが、同期間に生産された豚肉などであっても、汚染飼料を給与されていない群由来であることが証明できるものについては、市場流通を認める旨を10日付で通知した。