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トウモロコシと小麦の輸出数量に関する規制を撤廃(アルゼンチン)

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撤廃後も一定の国内供給量は確保

 国家農牧取引監督機構(ONCCA)は、2009年9月30日付け決議7552/2009号に基づき、穀物・油糧種子の輸出登録の仕組みを変更し、トウモロコシおよび小麦の輸出数量などに係る規制を撤廃するなどの措置を行った。変更内容は以下のとおりとなっている。

(変更前の措置は2009年7月3日海外駐在員情報「トウモロコシと小麦の輸出条件を一部緩和(アルゼンチン)」参照)
表

減産により両品目とも輸出量増加は限定的との見方

 今回の変更措置について、穀物・油糧種子の輸出業者が構成する団体であるアルゼンチン油産業会(CIARA)に以下の通り聞き取りを行った。

Q1  輸出数量制限はなくなったものの、両品目の国内供給量が不足した場合は流通業者が供給するなど、実質的な変更はあまりないと思うが、どのように評価するのか。
A1  条件付きではあるが、船積みの開始の時期撤廃により、恒常的に輸出を行うことができるようになったことが評価できる。また、発言権は実質ないが国内需給管理審議会に参加できる(どのような議論を行ったのかを公聴できる)ようになったことも評価できる。
Q2  今後のトウモロコシおよび小麦の輸出への影響について、どのように考えるか。
A2  トウモロコシおよび小麦の生産については、両品目よりも収益が高い大豆生産にシフトしていることや一部地域での干ばつが続いていることなどから、減少見込みである。ただし、トウモロコシについては、最近の降雨により状況は多少改善された。また、国内供給不足時の輸出業者のリスクを考えると、実際に輸出に向けられる量はそれほど多くないのではないか。生産量が伸びなければ、輸出量も伸びない。


 最近の現地新聞報道によれば、2009/10年度のは種面積は、トウモロコシが前年度比30%減の187万ヘクタール、小麦が同42%減の280万ヘクタールと伝えられている。このような状況からすると、両品目の輸出は上述のとおり期待されるほど伸びる可能性は少ないと思われる。
【石井 清栄 平成21年10月26日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 調査課 (担当:藤原)
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