8月の需給動向

調査情報部調査情報第一課

国内の主要畜産物の短期需給動向を毎月トレースします
・原データは、巻末の参考資料を参照してください。
・()内の数値は、対前年増減率です。

  • ◇牛 肉 生産量は2カ月ぶりに前年同月下回る

     8月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、27,256トン(▲3.0%)となり、2カ月ぶりに前年同月を下回った。成牛では、和牛が10,081トン(▲4.6%)、乳牛が16,661トン(▲1.9%)といずれも前年同月を下回った。
      特に、和牛については、品薄高が続いており、卸売価格は、前年同月を上回って推移している。
  • ◇豚 肉 と畜頭数3カ月ぶりに前年同月と同水準

     「食肉流通統計」による8月のと畜頭数は、1,296,362頭となり3カ月ぶりに前年同月と同水準となった。豚のと畜頭数は15年度をピークに、飼養戸数の減少、子取り雌豚頭数の減少などを背景に減少している。年末にかけての今後の肉豚出荷予測によると各月とも前年同月比100%程度を維持するものと予想されている。
  • ◇鶏 肉 鶏肉調製品輸入量、28カ月ぶりに前年同月を下回る

     鶏肉調製品は、鶏肉輸入量の減少に伴い3万トンをベースに輸入されていたが、8月は29,740トンとなり16年4月以来28カ月ぶりに前年同月を下回った。これは、輸入主要国である中国、タイからの輸入量が前年同月をそれぞれ2.4%、3.7%下回ったことによるもので、高水準にある鶏肉在庫量が影響しているものと思われる。
  • ◇牛乳・乳製品 飲用牛乳等生産量、前年同月を下回って推移

     8月の飲用牛乳等生産量は、牛乳が305,376キロリットル(▲2.3%)、加工乳・成分調整牛乳が39,856キロリットル(▲9.5%)となり、全体では345,232キロリットル(▲3.2%)と、前年同月を下回った。

     牛乳乳製品の需給緩和が懸念される中、牛乳消費が最も多くなる夏期需要に期待が持たれていたが、飲用牛乳等向け生乳処理量は24カ月連続で前年同月を下回る結果となった。

  • ◇鶏 卵 13カ月ぶりに卸売価格が前年同月を上回る

     8月の鶏卵卸売価格(東京・M)は、1キログラム当たり158円となり、17年7月以来13カ月ぶりに前年同月を上回った。16、17年の2年間の卵価が比較的高水準にあったため、18年度に入ってからは前年を下回る月が続いていた。冬場にかけて鶏卵の最需要期に入るため今後、引き合いは強まるものと見込まれる。
  • ◇飼 料 7月の配合飼料生産量、2カ月ぶりに前年同月を上回る

     7月の配合飼料生産量は、1,846,484トン(2.4%)となり、前年同月を2カ月ぶりに上回った。畜種別に見ると、養鶏用(1.6%)、養豚用(3.7%)、肉牛用(6.4%)は前年同月を上回ったが、乳牛用(▲2.8%)は、生乳の減産計画の影響などもあり2カ月連続で前年同月を下回った。


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