需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

バターの小売価格が徐々に上昇、前年同月を2.4%上回る


◇絵でみる需給動向◇


 農林水産省「牛乳乳製品統計」によると、平成20年2月の乳製品の生産量は、クリームが8,518トン(8.1%)、チーズが9,850トン(9.2%増)となり、閏年を考慮した数値修正後もそれぞれ4.4%増、5.5%増とともに前年同月をやや上回った。クリームはアイスクリームなど業務用の需要が今後も堅調に続くとみられ、またチーズも北海道に大手乳業メーカーのチーズ工場が昨年冬以降、相次いで竣工していることなどから、ともに今後の生産増加が見込まれる(図3)。一方、バターは6,640トン(前年同月比3.4%増)、脱脂粉乳が14,439トン(同0.0%)となり、閏年修正後の生産量は、それぞれ前年同月比0.2%減、3.4%減とバターは前年同月並み、脱脂粉乳はわずかに下回った。この結果、推定期末在庫量は、バターが前年同月を17.9%下回る19,400トン、脱脂粉乳が同38.4%下回る42,600トンとなった。

図3 乳製品生産量の推移(対前年同月比)

 これらを受けて、バター、脱脂粉乳の卸売価格が上昇を続けている。農林水産省によると、それぞれの2月の大口需要者向け販売価格は、バターがキログラム当たり1,000円となった平成5年11月以来の高値となる同995円(前年同月比5.4%高)、脱脂粉乳は25キログラム当たり13,327円(同2.4%高)となった。また、総務省「小売物価統計調査報告」によるバターの小売価格(東京都区部)を見ると、18年度中200グラム当たり200円を中心に推移していたが、3月は同334円(2.8%高)となるなど、供給量減少の影響がみられる(図4)。主要メーカーの一部が、生乳価格の値上げなどを理由に、春以降家庭用バターの値上げを実施することを公表しており、小売価格上昇による需要への影響が懸念される。

図4 バター 大口需要者価格と小売価格(東京都区部)の推移


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