需給動向 国内

◆牛 肉◆

黒毛和種の8月の肉用子牛取引頭数は大幅増、価格は前年割れ


◇絵でみる需給動向◇


 当機構調べによる8月の肉用子牛取引頭数のうち、黒毛和種は28,609頭(前年同月比17.4%増)と大幅に増加し6カ月ぶりに前年水準を上回った。これは、口蹄疫の発生で開催が中止又は自粛されていた九州各県の子牛市場が再開され、繁殖農家に滞留していた子牛が一気に出荷されたことによるものと考えられる。これに対し、取引価格を見ると、黒毛和種は雌雄平均1頭当たり35万5千円(前年同月比1.2%安)と前月比2千円安とわずかに下回った。取引頭数が大幅に増加したことに加え、枝肉相場が安値で推移していることによるものとみられる。前年割れは21年12月以降8カ月ぶりのことである。

 交雑種を見ると、出荷頭数の減少に伴う枝肉相場の高値基調が継続し、取引頭数は5,102頭(同11.5%減)と前年同月をかなり大きく下回った一方で、取引価格は23万7千円(同21.6%高)と前月より9千円ほど値下がりしたものの、21年4月以降連続して前年を上回って推移している。

 ホルスタインの取引頭数は819頭(同7.0%減)と前年同月をかなりの程度下回った。取引価格については7万9千円(同9.7%安)と前月より2千円ほど上昇したものの、前年水準との開きが依然として大きい(図1)。

 九州の家畜市場が再開し、取引がようやく正常化したことから、肥育農家は空舎を埋め合わせるため、一定程度子牛の買い付けを進めるとみられる。こうした農家の導入意欲が価格にどこまで影響するか、今後の動向が注目される。

図1 肉用子牛取引頭数の推移(前年同月比)
資料:農畜産業振興機構調べ

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