需給動向 国内 |
中央酪農会議が4月中旬に発表した平成23年3月用途別販売実績(速報)によると、同年度における指定団体の受託乳量は、北海道(ホクレン農業協同組合連合会)が前年度比1.0%減の378万8千トン、都府県(東北生乳販売農業協同組合連合会ほか8指定団体)が同5.7%減の345万6千トンで、合計では同3.3%減の733万4千トンとなった。都府県における減少幅が大きいのは、酪農戸数の減少が続く中にあって、昨年夏の猛暑の影響や東日本大震災の影響が大きく表れたためである。指定団体別に見ると、東北(東北生乳販売農業協同組合連合会)が同6.7%減、関東(関東生乳販売農業協同組合連合会)が同5.8%減、北陸(北陸酪農業協同組合連合会)が同6.9%減と減少幅が大きい(表1)。
販売実績を用途別に見ると、飲用牛乳向けは、少子高齢化、他飲料との競合などにより、前年度比3.2%減の342万6千トンとなり、長期にわたり減少傾向が続く結果となった。また、はっ酵乳等向けは、同0.3%減の49万6千トンと前年度をわずかに下回ったが、3月単月を見ると、前年同月比14.3%減の3万6千トンと前年同月をかなり大きく下回っている。これは、震災の影響でヨーグルトや乳飲料の生産が減少したことが要因と見られる(表2)。
一方、生クリーム等向けやチーズ向けは、堅調な需要を反映して、前年度比7.0%増の114万5千トン、同6%増の46万9千トンといずれも前年度をかなりの程度上回った。なお、3月単月の生クリーム等向けについても、震災の影響により、前年同月比4.1%減の8万5千トンと前年同月をやや下回った。 主にバターや脱脂粉乳の製造に向けられる指定乳製品向けは、飲用牛乳向け、生クリーム等向けなどに比べ優先度が低く、一般的にこれらの需給動向によって乳量が決まる。このため、22年度は、受託乳量が減少する中、飲用牛乳向けは減少したものの、生クリーム等向けやチーズ向けが堅調であったことから、前年度比11.6%減の179万8千トンと前年度をかなりの程度下回った。 |
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