農林水産省「牛乳乳製品統計」によると、22年12月の生乳生産量は、632,110トン(前年同月比3.6%減)と前月より減少幅は縮小したものの、前年割れは15カ月連続となった(図5)。
図5 生乳生産量の推移 |
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資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」 |
22年通年の生乳生産量は、3年連続で800万トンを下回る772万トン(前年比2.4%減)と、昭和63年の761万トンに次ぐ22年ぶりの低水準となった。地域別にみると、北海道は390万2千トン(同0.8%減)に対し、都府県は381万9千トン(同3.9%減)と初めて北海道が都府県を上回った。
減産の要因として、猛暑に伴う乳牛のストレス増加などの影響で8月以降生産が激減し、その後も個体乳量の回復が遅れたためと考える。
また、22年12月の飲用牛乳等生産量は、296,721キロリットル(同1.8%減)、このうち牛乳は244,790キロリットル(同2.1%減)となり、加工乳・成分調整牛乳においては、51,931キロリットル(同0.3%減)と20年10月以来2年2カ月ぶりに前年割れに転じた。
このような状況の中で、(社)日本酪農乳業協会(Jミルク)は1月28日、23年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しを発表した。これによると、生乳生産量は、全国で757万1千トン(同1.2%減)とし、6年連続の前年割れになると見込まれている。また、牛乳生産量は、294万4千キロリットル(同3.5%減)と22年度見通しからさらに減少幅を拡大すると見込まれている(図6)。
図6 牛乳等生産量の推移 |
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資料:農林水産省「牛乳乳製品統計」日本酪農乳業協会「生乳及び牛乳乳製品の需給見通しについて」
注:22年度は1‐3月の見込を含む |
一方、加工乳・成分調整牛乳・乳飲料の生産量は、193万4千キロリットル(同1.7%増)と前年度を上回るものの、伸び率が鈍化すると見込まれる。
Jミルクでは、これらの見通しを踏まえ、今後の酪農乳業の課題として、生乳需要量と供給量が共に減少する中、国内需給に影響を及ぼすと思われる外的要素(天候、海外の需給動向など)が不透明であることから、酪農乳業関係者連携の下、需給動向を注視し、国産牛乳乳製品の安定供給に努め需要の喪失が起こらないよう的確な需給調整の対応を行うべきとしている。
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