需給動向 国内 |
農林水産省が8月4日に公表した「畜産統計」によると、肉用牛の飼養戸数は、23年2月1日現在では6万9600戸(前年比6.5%減)と、前年より4800戸減少した。肉用牛の飼養頭数は276万3千頭(同4.5%減)で、交雑種の飼養頭数の減少、宮崎県の口蹄疫発生の影響により、前年に比べて12万9千頭減少した。 品種別に見ると、肉用種は、186万8千頭(前年比2.9%減)、乳用種も、ホルスタイン種他が41万2千頭(同2.1%減)とわずかに減少、交雑種は48万3千頭(同11.7%減)とかなり減少した(図1)。交雑種については、前年に比べ6万4300頭減少しているが、この要因としては、酪農家において後継搾乳牛を確保するため乳用種との交配が進み、出生頭数が減少していることが挙げられる。
酪農戸数について地域別に見ると、戸数の最も多い九州が3万400戸(同7.3%減)、次いで多い東北が1万9600戸(同7.5%減)、関東・東山が4310頭(同4.0%減)などとなった。 飼養頭数を地域別に見ると、北海道が53万5900頭(前年比0.5%減)とわずかな減少にとどまった。しかし、それ以外の地域は、九州が98万4千頭(同7.1%減)、東北が39万4千頭(同4.5%減)、関東・東山が31万3900頭(同4.3%減)などといずれも前年を下回った。中でも九州では、宮崎県で22年4月に口蹄疫が発生し、牛6万8272頭(乳用牛を含む。)が殺処分されたことから、その減少幅がほかの地域に比べ大きい。23年2月1日時点における宮崎県の肉用牛の飼養動向を見ると、飼養戸数が8410戸(前年比11.9%減)と前年に比べ1140戸減少、飼養頭数が23万9700頭(同18.2%減)と前年に比べ5万3500頭減少した。こうした宮崎県における戸数や頭数の著しい減少が全国の飼養動向に大きく影響している。 |
元のページに戻る