好調な乳製品輸出


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● 2005年の乳製品輸出額は、前年比12%増 ● ● ●

 米国農務省(USDA)によると、2005年の乳製品総輸出額は、前年比12%増の16億2,508万ドル(1,836億円:1ドル=113円)となった。品目別に見ると、脱脂粉乳は同24.9%増の5億5,656万ドル(約629億円)、ホエイ製品が同37.7%増の2億2,301万ドル(約252億円)、チーズが同1.8%増の2億108万ドル(約227億円)と軒並み増加となったが、バターは同23.6%減の974万ドル(約110億円)と減少した。

 USDAによると、(1)主要輸出国からの供給量の減少、(2)為替のドル安傾向、(3)アジア地域での高い需要−などを理由に、2006年も脱脂粉乳などの輸出増加が見込まれるとしている。

主要乳製品の輸出額の推移

資料:「Import and Export Data by Commodity」
注:チーズにはカードを含む


● ● ● 2005年の脱脂粉乳の輸出量は前年比19.6%増、ホエイは同31.4%増 ● ● ●

 また、2005年の脱脂粉乳の輸出量は前年比19.6%増の27万7千トンとなった。仕向け先上位5カ国を見ると、メキシコ向けが同18.2%増の10万7千トン、インドネシア向けは同73.3%増の2万3千トンとなるなど大幅に増加した。

 また、ホエイは、中国向け、メキシコ向けが好調で、それぞれ同28.5%増の6万9千トン、同39.6%増の3万7千トンとなり、全体では同31.4%増の27万6千トンを記録した。また、シェアは少ないものの、韓国向けが前年比2倍以上の伸びの2万5千トンとなった。

 

 


● ● ● 国内消費はチーズがけん引 ● ● ●

 一方、2005年の国内における主要乳製品の消費量は、生乳の5割近くが仕向けられるチーズが前年比1.5%増の430万4千トンとなった。その内訳は、チェダーチーズに代表されるアメリカンタイプが前年比0.5%減の171万8千トン、また近年人気の高いモッツアレラチーズに代表されるイタリアンタイプなどその他のものが同2.9%増の258万6千トンとなった。なお、2006年第1四半期のチーズ消費量も、前年同期比1.5%増の107万2千トンとなるなど、チーズの消費量は増加基調で推移している。

 2005年のバター、脱脂粉乳の消費量は、それぞれ前年比0.1%増の61万6千トン、同4.2%減の57万1千トンで、2006年第1四半期は前年同期比11.4%増の14万5千トン、0.5%減の15万4千トンとなるなど、脱脂粉乳は2005年以降下落に転じている。

乳製品の品目別消費量の推移

資料:USDA/ERS「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」


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