生乳生産の拡大により、脱脂粉乳・バターの生産量は増加の見込み


◇絵でみる需給動向◇


生乳生産量は引き続き増加

 米国農務省(USDA)によると、2007年9月の生乳生産量は前年同月比2.6%増の673万8千トンと、2005年3月以降連続で前年同月を上回って推移しており、2007年全体の生乳生産量は前年比2.0%増の8,410万トンになるものと予測されている。一方、2007年に入ってからの生産者販売乳価の上昇などによる飲用乳小売価格の高騰が、牛乳の消費低下を招いており、USDAは、今後より多くの生乳が乳製品の生産に仕向けられるものと予測している。

飲用乳および乳製品の小売価格の推移


脱脂粉乳・バターの生産増により在庫量は高水準

 同年9月の脱脂粉乳の生産量は、前年同月比42.7%増の4万1千トンとなり、3カ月連続で前年同月を40%近く上回って推移している。脱脂粉乳の民間在庫量は、国際市場における需給のひっ迫を受け、2006年6月以降前年同月を下回って推移していたが、本年7月に同50.2%増の5万7千トンと増加傾向に転じ、8月、9月では前年同月を2倍以上上回る高い水準となっている。脱脂粉乳の生産増により、バターの生産量も増加傾向で推移しており、9月は前年同月比7.3%増の5万1千トンとなっている。バターの8月、9月の民間在庫量も前年同月をそれぞれ20%以上上回る水準となっている。

脱脂粉乳在庫量の推移

バター在庫量の推移


卸売価格は2008年にかけて軟化との見込み

 一方、脱脂粉乳の卸売価格は、輸出需要を背景に依然として高値を維持しており、10月の卸売価格は、前年同月比100.4%高のポンド当たり200.5セント(キログラム当たり513円:1ドル=116円)となった。しかしながら、7月のポンド当たり222.4セント(同569円)をピークに軟化の傾向を見せている。USDAは、脱脂粉乳価格の高騰は、今後、生産量の増加に伴い2008年にかけて落ち着きを見せるものと予測している。また、バターの卸売価格も同様の値動きを見せており、6月のポンド当たり150.2セント(同384円)をピークに下落基調に転じ、10月はポンド当たり130.2セント(同333円)と9カ月ぶりに前年同月を下回った(1.4%減)。


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