ALIC/WEEKLY

週報「海外駐在員情報」


平成14年11月19日号(通巻556号)


EU、特定危険部位(SRM)を一部見直しか (full story)

【ブラッセル駐在員 山田 理 11月14日発】 EUの科学運営委員会(SSC)は、
11月7、8日に開催された会合において、反すう動物の組織における伝達性海綿状脳症
(TSE)の感染性分布に関する見解を、最新の科学的知見に基づき更新し、これを
採択した。現在12ヵ月齢超の牛に関して特定危険部位(SRM)とされている扁桃に
ついて、月齢に関わらずSRMとすることなどが勧告された。SSCの見解の更新を
受けて、今後、SRMに関する規定改正の準備が進められるものとみられる。

慢性消耗性疾患(CWD)の人への危険性を調査(米国)(full story)

【ワシントン駐在員 道免 昭仁 11月14日発】  米保健社会福祉省(HHS)のトン
プソン長官は11月4日、近年、シカやエルク(オオジカ)に発症する慢性消耗性疾患
(CWD:Chronic Wasting Disease:伝達性海綿状脳症(TSE)の一種)が米国内で広
がりつつあることを踏まえ、この疾患の人間への危険性などについて食品医薬局(F
DA)が調査を開始すると発表した。トンプソン長官は会見で、「CWDがわれわれに
脅威を与えるものかどうか見極めた上で、疾患の拡大を食い止める最善の策を探し
出し、CWDの撲滅に奮闘している州を支援したい」と述べた。

連邦政府干ばつ救済措置本格的発動(豪州)(full story)

【シドニー駐在員 幸田 太 11月14日発】  連邦政府は11月6日、干ばつにより被害
のあった農家に対し特別災害支援(Exceptional Circumstance)を適用すると発表し
た。特別災害支援は、干ばつだけでなく、例外的な災害時に発動される条件不利地域
に対する支援措置であり、今年5月の全国第一次産業相会議において連邦政府の従来
からの対策を強化するため財源の強化について提案された。その財源の負担割合をめ
ぐり連邦政府と州・準州政府で意見が分かれ、議論は頓挫していたが、干ばつの被害
が深刻化する中、連邦政府が押し切るかたちで実施されることとなった。

豪州との農産物貿易問題に新たな動き(フィリピン)(full story)

【シンガポール駐在員 宮本 敏行 11月14日発】 豪州がフィリピン産果実の輸入制
限措置を継続する中で、フィリピン政府は同国の大手乳業企業2社がこのほど、乳製品
原料の輸入先を、従来の豪州偏重路線を改めて多角化する方針であると発表した。こ
の裏には、同国の乳製品市場の99%を占める両社の同意を得ることにより、実質的に
豪州産乳製品の輸入を規制する意図があるものとみられている。

パラグアイ口蹄疫発生をめぐる動き(full story)

【ブエノスアイレス駐在員 犬塚 明伸 11月13日発】 ブラジルの国境近くにあるパラグアイ
の農場で口蹄疫の疑いのある牛が数頭見つかったことに関し、メルコスル等関係6ヵ国
およびパンアメリカン口蹄疫センターは10月14〜25日まで調査を実施した。31日、O型
ウイルスが確認された結果はパラグアイとブラジルに伝えられ、口蹄疫の発生が確定し
た。一方、ブラジルのマットグロッソドスル州の獣医師がパラグアイ衛生当局の許可を
得ず、ブラジル人所有のパラグアイ側農場に入って診断していたこと等に対し、パラグ
アイ国内では外国人に対して農地所有を規制する動きが出ている。

 

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