ALIC/WEEKLY

週報「海外駐在員情報」


平成14年9月10日号(通巻546号)


地域に根付き始めた農産物直売市場(イギリス)

【ブラッセル駐在員 山田 理 9月5日発】イギリス最大の農業生産者組織である
全国農業者連盟(NFU)は9月4日、生産者による農畜産物等の直売市場である
「ファーマーズ・マーケット(farmers’market)」に関するレポートを公表した。
これによると、最初のファーマーズ・マーケット開催から5年を経過した現在では、
その市場数は450ヵ所に達し、設置場所はイギリス全体に広がるなど、各地域に着実
に根付き始めている。


秋以降の展開が気になる肥育豚価格(米)

【ワシントン駐在員 道免 昭仁 9月5日発】米農務省(USDA)が8月30日に発表
した当月(速報値)の肥育豚価格は、前年同月比32.2%安の100ポンド当たり34.90
ドル(約92円/kg、1ドル=119円)となった。肥育豚価格は、4月以降やや持ち直
してきたが8月には下落した。また、シカゴマーカンタイル取引所(CME)の肥育
豚先物価格(10月限)も8月以降急落し、月末には100ポンド当たり30ドル(約79円
/kg)を割り込む展開を見せるなど、秋以降の市況がどうなるのかが注目されると
ころである。


日本の牛肉需要回復が今後の決め手(豪州)

【シドニー駐在員 幸田 太 9月5日発】豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)
は、肉牛及び羊牧産業の予測レポート「Australian Cattle and Sheep Industry
 Projection」の2002年中間速報版を発表した。今回のレポートでは、2002年の肉
牛生産者の利益は確保されるものの、日本への輸出不振、干ばつ、豪ドル高により、
2001年よりも肉牛価格は下落するとされ、生産者にとっては厳しいものになると予
想している。


投資戦略で地盤固めを進めるネスレ(フィリピン)

【シンガポール駐在員 宮本敏行 9月5日発】世界最大の食品会社であるネスレ
社は8月27日、20億ペソ(約50億円)を投じて、東南アジア地域における拠点であ
るネスレ・フィリピン社の生産規模の拡大を図ると発表した。これは、昨年に打ち
出された30億ペソ(約75億円)の投資計画に続く事業拡大策であり、ネスレ・フィ
リピン社は、粉乳類やアイスクリームの大幅な輸出増を背景に今後の一層の発展に
自信を深めている。


ブラジルとアルゼンチン、対中国輸出の拡大に期待 

【ブエノスアイレス駐在員 犬塚 明伸 9月4日発】中国政府調査団は先ごろ、
ブラジルとアルゼンチンを訪問し、両国の食品加工施設における衛生状態等につい
て視察した。そこで、それぞれと畜産物などの中国向け輸出拡大につながる協定の
締結を行った。ブラジルのプラチニデモラエス農相は、「ブラジルは世界でもっと
も大きい市場の一つである中国市場の開放にこぎつけた。」とコメントするなど、
今後の輸出拡大が期待されている。



 

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