既報(
http://lin.alic.go.jp/alic/week/2008/eu/eu20080930.htm)のとおり、EU加盟国は9月26日より、乳製品を15%以上含むすべての中国産食品について、キログラム当たり2.5ミリグラム以上のメラミンが混入していないか検査が義務付けられたが、実際には乳製品の含有量が15%以上かどうか不明な場合が多く、検査実施場所も数多くあるため、加盟国側の負担が大きかった。
このため、欧州委員会は10月15日より、新たな委員会決定(2008/798/EC)によりこの検査手続きを見直し、
とすることで加盟国側の負担軽減を図ることとなった。
既報(
http://lin.alic.go.jp/alic/week/2008/eu/eu20081003.htm)にもあるとおり、FSAは9月26日の検査導入以降、キログラム当たり2.5ミリグラム以上のメラミンを含む食品が検出された場合、その都度プレスリリースによりその詳細について公表してきたが、これについても11月7日より合理化された。具体的には、汚染された製品のリストを定期的に更新する方法が採用されており、11月25日時点での中国産メラミン汚染食品の濃度の分布は以下のとおりとなっている。
これによると、チョコレート類やキャンディ類では、欧州食品安全機関(EFSA)が設定した基準値(2.5ミリグラム/キログラム)の20倍を超えるキログラム当たり50ミリグラム以上のメラミンが検出された事例も複数含まれるなど事態の深刻さがうかがえる。なお、基準値以上のメラミンが検出された食品と同一のロットはすべて回収され、破棄されることとなっている。
このように、加盟国側の負担が軽減された背景には、現在導入されている措置は、中国側がメラミンが混入していない旨の証明を行うなどの特段の状況の変化がない限り当分の間継続する必要があるとの判断があるとみられる。