米国政府は7月6日、乳製品への輸出補助金(乳製品輸出奨励事業(DEIP))を2009/2010事業年度(2009年7月〜2010年6月)においても継続して実施すると発表した。
DEIPについては、本年5月、EUの輸出補助金への対抗措置として約5年ぶりに再開されたが、事業期間が2009年6月までとなっていたことから、同事業の7月以降の継続について、全米生乳生産者協議会(NMPF)から米国農務省(USDA)に対して要請がなされていたところである。
(
平成21年6月1日付海外駐在員情報、
平成21年7月1日付海外駐在員情報参照)
今回、DEIPの継続を決定した背景について、ヴィルサック農務長官は、「米国は、WTO協定に整合するよう慎重にDEIPを運営しているが、いまだに米国の乳製品市場は侵食され続けており、EUが輸出補助金を抑制する兆候は認められない」と、EUの輸出補助金への対抗措置としての必要性を述べる一方で、「酪農家を支援するため、責任ある態度をもってこの事業を継続する」とし、乳価低迷に苦しむ酪農家を支援する観点からも、同事業の必要性を強調している。
また、今回の発表では、当初枠として、前回配分枠(2008/2009事業年度、WTO協定上の年間配分枠と一致)の未達数量:脱脂粉乳:48,176トン、バター:19,235トン、チーズ:2,878トンを上限に募集することとしている。