12月の需給概要

調査情報部調査情報第一課

国内の主要畜産物の短期需給動向を毎月トレースします
・原データは、巻末の参考資料を参照してください。
・()内の数値は、対前年増減率です。

  • ◇牛 肉 枝肉卸売価格、全面高となる

     年末需要期である12月の牛枝肉卸売価格(東京・省令)は、1,394円/キログラム(6.0%)と前年同月を上回った。また、去勢和牛も、A-4は2,398円/キログラム(8.5%)、A-3は2,235円/キログラム(11.1%)となり同様に前年同月を上回った。これは、米国産牛肉の輸入停止措置により、早出しの影響から出荷頭数が減少したこと、品薄高が続いたことなどから、年末手当が例年より遅れ、12月に入って一段高となったと考えられる。
  • ◇豚 肉 17年の等外品価格、306円(23.8%)に

     12月の東京の卸売価格は、と畜頭数の減少などの影響からキログラム当たり501円(3.1%)となり、9月以降4カ月連続で前年同月を上回った。

     食肉流通統計による17年(1月〜12月)全国の規格別平均卸売価格は、極上628円(▲2.5%)、上481円(0.2%)、中451円(3.9%)、並409円(6.1%)、等外306円(23.8%)となり、規格別では等外品の価格が大幅に前年を上回った。一方、省令価格は481円(0.2%)と前年とほぼ同水準なった。
  • ◇鶏 肉 鶏肉生産量、増加続く

     鶏肉の生産量は昨年8月の10万トンを底に9月以降4カ月連続で前年同月を上回って推移しており、12月は118,125トン(2.0%)となった。また、3カ月連続して11万トン台を超えて推移していることから、ブロイラーの飼養羽数が高い水準で維持されているものと思われる。このような状況の中、農林水産省「農業物価指数」におけるブロイラーの農家販売価格は12月、10キログラム当たり1,554円(▲8.8%)となっており、14年以降下降傾向で推移している。
  • ◇牛乳・乳製品 脱脂粉乳、バターの生産量、6カ月連続で前年同月を上回る

     12月の乳製品の生産量は、脱脂粉乳が19,270トン(10.7%)、バターが7,626トン(15.0%)とともに6カ月連続で前年同月を上回った。これは、例年、12月はクリスマスなど、年末需要に向けて増産傾向にあるが、併せて、生乳生産量が4カ月連続で前年同月を上回った一方、飲用牛乳等の消費量の減少により、乳製品向け処理量が増加したことが要因と考えられる。
  • ◇鶏 卵 17年の標準取引価格平均は199円

     (社)全国鶏卵価格安定基金などによると、12月の標準取引価格は190.07円となった。これは、先月に比べ10円値上がりし、前年同月に比べると26.8%の減少となったが、補てん金の交付は、実施されない。また、これにより、17年1月〜12月までの月平均は198.70円となり、前年に比べかなり高い水準となった。
  • ◇飼 料 配合飼料の生産動向

     11月の配合飼料生産量は、養鶏用が890,285トン(0.2%)、養豚用が536,734トン(▲0.3%)、乳牛用が278,614トン(0.8%)、肉牛用が351,737トン(0.5%)となり、全体(その他家畜用を含む)では、2,065,640トン(2.1%)となり、2カ月連続で前年同月を上回った。


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