6月の需給概要

国内の主要畜産物の短期需要動向を毎月トレースします
・原データは、巻末の参考資料を参照してください。
・()内の数値は、対前年増減率です。
・牛肉および豚肉の数量は部分肉ベースです。

  • ◇牛 肉 生産量、6カ月連続で前年同月を下回る
    6月の生産量は27,363トン(部分肉ベース)(▲0.6%)となり、6カ月連続で前年同月を下回った。平成17年1月以降前年同月を下回っているものの、5月以降ほぼ前年同月並みに推移している。しかし、種類別に見ると、和牛は10,176トン(5.7%)となり、5月以降2カ月連続で上回ったが、乳牛は、16,696トン(▲4.0%)と15年12月以降前年同月を下回っており、米国のBSE発生による品薄状態により価格が上昇したことなどから、昨年の早出し傾向の影響が依然として続いているものと見られる。
  • ◇豚 肉 輸入量、5年ぶりに低水準
    6月の豚肉輸入量は、62,952トン(部分肉ベース)(▲32.3%)となり2カ月連続で前年同月を下回った。内訳を見ると冷蔵品が18,095トン(▲1.6%)、冷凍品44,830トン(▲39.9%)となり、特に冷凍品の輸入量が前年同月を大幅に下回った。これは、6月の輸入量としては、5年ぶりに前年同月を下回る輸入量であり、この結果4年連続で8月1日に発動されていた関税の緊急措置は、発動に至らなかった。
  • ◇鶏 肉 ブラジルからの輸入量、急増する
    6月の鶏肉輸入量は、40,318トンとなり昨年の需要期であった11月以来7カ月ぶりに4万トン台を超える高水準な輸入量となった。また、前年同月比では72.7%増と8カ月連続で前年同月を上回っている。特に輸入先として一極集中しているブラジルからの輸入量が、36,120トンと過去最高となった。
  • ◇牛乳・乳製品 生乳生産量、12カ月連続で前年同月を下回る
    6月の生乳生産量は、北海道が327,879トン(▲1.9%)、都府県が372,595トン(▲2.5%)となり、全国では700,474トン(▲2.2%)と12カ月連続で前年同月を下回った。
     昨夏の猛暑による、種付けが遅れた影響もあり、本来のピーク時に見られる大きな伸びが見られなかった。
  • ◇鶏 卵 11カ月連続で、標準取引価格が補てん基準価格を上回る
    6月の東京・Mサイズの卸売価格は前年同月比8.4%増のキログラム当たり193円となり、16年5月以降14カ月連続で前年同月を上回って推移している。一方、(社)全国鶏卵価格安定基金などによる6月の標準取引価格は、キログラム当たり188.22円となり、17年度の補てん基準価格である163円を上回って推移しており、16年7月以降11カ月連続して補てん金の交付は実施されていない。
  • ◇飼 料 5月の配合飼料生産量、前年同月を上回る
    農林水産省の「流通飼料価格等実態調査」によると、5月の配合飼料生産量は、1,911千トンとなり、17年1月から3月まで前年同月を下回っていたが、4月に同水準となったのに続き、2.7%前年同月を上回った。
     用途別に見ると、養豚用が6カ月連続で前年同月を下回ったのを除くと、養鶏用、乳牛用、肉牛用は前年同月を上回っている。


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