需給動向 国内 |
財務省「貿易統計」によると、平成20年5月の牛肉輸入量は、前年同月をかなりの程度下回る38,290トン(前年同月比10.7%減)となり、3カ月連続で前年同月を下回った。国別に見ると、全体の8割を占める豪州産は、昨年5月の輸入量が、現地出荷価格の下落などを要因として大幅に増加していたことから、前年同月比でかなり大きく減少し、30,204トン(同14.9%減)となった。米国産は、生鮮・冷蔵品が輸入再開後、初めて3,000トンを超え、3,078トン(同145.4%増)となり、冷凍品と合わせて3,972トン(同81.1%増)が輸入された。 5月の輸入牛肉の卸売価格(仲間相場)を見ると、オセアニア産牛肉の冷凍品トリミングは価格の上昇が続いているものの、全体的にはもちあいまたは弱含みで推移した。特に、オセアニア産チャックロール(冷蔵品)の卸売価格は、上昇傾向にあるものの、キログラム当たり640円(同4.3%安)となり、11カ月連続で前年同月を下回った。また、米国産チャックアイロール(冷蔵品)は、同813円と卸売価格は軟化した(図1)。 図1 オセアニア産牛肉卸売価格(仲間相場)前年同月比の推移 米国産について、輸入量の部分肉内訳(冷凍、生鮮・冷蔵計)を見ると、5月はばらが1,902トン(同28.5%増)、ロインが347トン(同913.4%増)、かた、うで、ももが1,696トン(同204.2%増)となった。4-5月の累計のシェアを、昨年度と比べると、ばらが13.3ポイント減の50.7%となった一方で、かた、うで、ももは10.8ポイント増の40.4%増となっており、輸入される部分肉の内訳に変化がみられる(図2)。5月の米国産チャックアイロールの卸売価格の下落は、供給量の増加が影響したことも要因の一つと考えられる。 図2 米国産牛肉 部分肉輸入量シェアの推移 小売価格の上昇による牛肉の末端消費の落ち込みから、卸売相場の低迷を懸念する見方もあるが、(社)日本フードサービス協会によれば、5月の焼肉店の売上高(ファミリーレストラン業態、11事業者数、店舗数1,162店)は、前年同月比で1.3%増となっており、夏場の需要期に向けて、末端消費の盛り上がりが期待される。 |
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