ALIC/WEEKLY

週報「海外駐在員情報」


平成14年6月4日号(通巻533号)


EU委、GM作物の混入等に関する報告書を公表(full story)

【ブラッセル 山田 理 5月30日発】EU委員会の調査研究部門である共同研
究センター(JRC)は5月22日、農業総局からの委託に基づき取りまとめてい
た「欧州農業における遺伝子組み換え(GM)作物、通常農法による作物および
有機作物の共存(co-existence)に関するシナリオ」と題するレポートを公表し
た。GM作物に関する新たなEU規則の検討が進められる中で、焦点の1つとな
っているGM作物の偶発的混入許容率について、その実現可能性を農業手法およ
び経済性の両面から考察している。


連邦レベルでの慢性消耗性疾患(CWD)対策を強化する米国(full story)

【ワシントン 渡辺 裕一郎 5月30日発】北米での発生が広がりを見せている
シカやエルク(オオジカ)の慢性消耗性疾患(CWD)について、これまで各州政府
などと協力して各種の対策を講じてきた米農務省(USDA)は、連邦レベルでの連
携強化を図るための米内務省(DOI)との作業グループを立ち上げるとともに、近
々、農家で飼養されているすべての個体の州間移動に関する事前登録制を導入す
る意向も明らかにした。これと並行して、連邦議会では法制化の動きも活発化し
始めている。


連邦農業予算は検疫体制強化を継続(豪州)(full story)

【シドニー 粂川 俊一 5月30日発】豪州連邦政府は5月中旬、2002/03年度(7
〜6月)の予算案を発表した。その中で、農業関連予算は、従来からの方針を踏襲
した形で、検疫と食品産業対策に重点を置いたものとなっており、検疫対策に関し
ては、昨年度からの輸入検疫体制強化に加え、重大な家畜伝染病発生における緊急
対応体制の増強や豪州北部の国境付近の防疫体制強化、農村地域の獣医師の確保対
策などが計上されている。


アイスクリーム市場の寡占化が加速か(タイ)(full story)

【シンガポール 小林 誠 5月30日発】食品分野の多国籍企業ユニリーバ社の子
会社であるウォールズ社は、新製品の投入と宣伝費3億バーツ(約9億円:1バーツ
=3円)を投じて、昨年は40%であったアイスクリーム市場シェアを今年中に46%ま
で引き上げたいとしている。タイには市場の寡占化・独占化に対する規制がないた
め、今後、同国のアイスクリーム市場がますます寡占化のスピードを早める可能性
がある。


供給過剰によりブロイラー価格が下落(ブラジル)(full story)

【ブエノスアイレス 玉井 明雄 5月30日発】ブラジルブロイラー用ひな生産者
協会(APINCO)によると、2001年の鶏肉生産量は過去最大となったが、増産傾向は
今年に入っても引き続き、2002年第1四半期(1〜3月)は、前年同期比14.5%増の
174万4千トンとなった。しかし、消費者の購買力が低下する中、輸出需要を当て込
んだ生産増が急ピッチで進んだことから、需給のバランスが崩れ、ブロイラー生産
者価格が下落した。

 

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