ALIC/WEEKLY

週報「海外駐在員情報」


平成15年9月9日号(通巻593号)


EU、地理的表示保護産品を国際的に主張(full story)

【ブラッセル駐在員 山ア 良人 9月3日発】 EUは8月28日、EUの地理的
表示保護産品のうち、国際的に地理的表示の保護が望まれる農産物等をリストア
ップした。これについてEUは、9月10日から始まる世界貿易機関(WTO)の
閣僚会議において、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPs協定)
の分野と農業分野において協議されることを目的として行ったものである。最終
的にリストアップされた産品は、41品目で、そのうち農産物では19品目がリスト
アップされた。

米国ベネマン農務長官の最近の情勢への所感(full story)

◎ 始動した対日輸出向けBEVプログラム

【ワシントン駐在員 犬飼 史郎 9月4日発】 ベネマン農務長官は9月4日、
同月10日からメキシコのカンクンで開催される第5回WTO閣僚会議に先立ち記
者懇談会を開催した。同長官は、国内需要を上回る国内生産を振り向けるために
も海外市場へのアクセスの改善が重要であることを強調するとともに、今回の閣
僚会合を前回の会議で採択されたドーハ開発計画による農業に関する協議の中間
評価の場と位置付けた。また、これに先立ち行われた8月25日の記者懇談会では、
BSEに関する科学的な進展に即してより現実的なリスクに基づいた手法を検討す
るようOIEに要請したとした。更に、日本の生鮮・冷蔵牛肉に対する関税の緊急
措置の発動は、BSEによる消費減少分の回復による人造的な消費の増加によるも
のであり、正当化されないとして今後も日本政府に強力な要請を続けていくとし
た。

干ばつが豪州畜産に与えた影響は顕著(full story)

【シドニー駐在員 粂川 俊一 9月4日発】  豪州食肉家畜生産者事業団(M
LA)が発表した見通しによれば、干ばつにより縮小した供給構造と需要の増加
により、肉牛・牛肉価格は今後数年にわたり高値で推移する見込みである。一方
、酪農においても干ばつの影響は顕著で、デイリー・オーストラリア(DA)は
、2002/03年度の生乳生産量を前年度比8.4%減の1,032万キロリットルと発表し
た。豪州を襲った干ばつも徐々に緩和する方向に見えるが、肉牛・牛肉産業、酪
農とも仮に干ばつが終息したとしても、これまで受けた干ばつの影響から脱却す
るには数年を要するとみられている。

豚肉加工品のシンガポール向け輸出開始にめど(タイ)(full story)

【シンガポール駐在員 小林 誠 9月1日発】 シンガポール政府はこれまで、口
蹄疫や残留薬剤問題を理由に、タイ産豚肉および豚肉加工品の輸入を禁止してき
た。しかし、9月上旬に予定されているタクシン首相のシンガポール訪問の成果
として輸入解禁を勝ち取るというタイ政府の方針変更によって、豚肉加工品3品
目の輸入が解禁されることが見込まれている。現在、タイ産豚肉の輸出市場は、
ほぼ香港に限定されており、中国系住民を多く抱え、豚肉の輸入需要が高いシン
ガポールは、タイの養豚産業にとってきわめて魅力的な市場となっている。

好調が続くブラジルの牛肉輸出(full story)

◎ アルゼンチン北部で口蹄疫発生の疑い

【ブエノスアイレス駐在員 玉井 明雄 9月3日発】 ブラジル開発商工省貿易局に
よると、2002年の牛肉輸出量(製品重量ベース。冷蔵肉、冷凍肉、および加工
肉)は、前年比17.4%増の57万8千トンと過去最高を記録した。今年に入って
も好調は続き、2003年上半期(1〜6月)の牛肉輸出量は、前年同期比54.2%
増の37万7千トンとなった。さらに、ブラジル政府や業界では、衛生上のリス
クを理由に、米国による輸入が認められていないブラジル産生鮮牛肉(冷蔵、
冷凍)の輸入解禁が期待されている。一方、政府や業界の懸念材料として、隣
国の口蹄疫問題がある。
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