7月の需給概要

国内の主要畜産物の短期需要動向を毎月トレースします
・原データは、巻末の参考資料を参照してください。
・()内の数値は、対前年増減率です。
・牛肉および豚肉の数量は部分肉ベースです。

  • ◇牛 肉 輸入量、前年同月を大きく上回る
    7月の輸入量は59,977トンとなり、前年同月を30.5%上回った。これは、米国産牛肉の輸入一時停止以降最も多い数量が輸入されたことになる。
    輸入量は、平成17年1月以降5カ月連続で前年同月を上回っていたが、5月末の在庫が高水準にあった中で関税緊急措置の発動を回避するため、通関を繰り延べる動きがあったことから、6月の輸入量が大幅に減少した。その反動もあり、7月に大幅に増えたと考えられる。
  • ◇豚 肉 国産品の出回り量が減少、在庫が積み上がる
    7月の生産量はと畜頭数の減少などで、64,841トン(▲3.7%)と前年同月を下回ったが、国産品の推定在庫量は21,215トン(17.9%)とかなり積み上がった。これにより、7月の国産品の推定出回り量は、62,375トン(▲9.6%)とかなり減少した。国産品の推定出回り量は、生産量の減少を受けて、16年11月をピークに減少傾向にある。
  • ◇鶏 肉 生産量、順調に推移
    昨年の6〜8月は国内での鳥インフルエンザ発生の影響で生産が抑制されていた時期で、いずれの月も生産量が10万トンを割り込んで推移していた。今年度に入って、鶏肉生産量は各月とも前年同月を上回って、安定的に推移している。今後の生産指標となるブロイラー用ひなの出荷見通しは、前年同月比で8月101%、9月99%10月99%となっており、前年度を同水準の生産量が見込まれている。
  • ◇牛乳・乳製品 乳製品向け処理量、前年同月を上回る
    7月の乳製品向け処理量は、284,328トンとなり前年同月を8.6%上回った。これにより、脱脂粉乳、バターの生産量も前年同月を上回ったが、懸念されている脱脂粉乳の推定期末在庫は、8カ月連続で前年同月を下回83.3千トンとなった。
    乳製品処理量の増加は、生乳生産量が、昨夏の種付けの遅れの影響の回復も見られ、前年同月並みとなったことや、飲用乳の夏場の需要が期待するほど伸びていないことが要因と思われる。
  • ◇鶏 卵 卸売価格下落で、12カ月ぶりに、補てん金交付
    7月の東京・Mサイズの卸売価格は1キログラム当たり156円(6.1%)となり、16年5月以降15カ月連続で前年同月を上回って推移した。しかし、標準取引価格は、160.33円/kgとなり、基準価格の163円を下回ったことにより、12カ月ぶりに2円/kgの補てん金が交付された。
  • ◇飼 料 飼料用トウモロコシの輸入量、前年同月を下回る
    財務省公表の「貿易統計」によると、7月の飼料用トウモロコシの輸入量は、821,023トン(▲14.6%)となり、16年7月以降13カ月連続で前年同月を下回っている。
    また、輸入価格(CIF)は、17,453円/トン(▲18.3%)となり、17年2月以降6カ月連続で前年同月を下回った。しかし、前月と比較すると412円上昇しており、トウモロコシの相場は産地の天候に左右されやすく、雨不足による生育懸念から上昇傾向によるものと思われる。


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