9月の需給概要

国内の主要畜産物の短期需要動向を毎月トレースします
・原データは、巻末の参考資料を参照してください。
・()内の数値は、対前年増減率です。

  • ◇牛 肉 枝肉卸売価格、高値安定で推移

     9月の枝肉卸売価格をみると、和牛、乳用種ともに高値安定で推移している。

     去勢和牛は、1キログラム当たりA−5は、2,447円(5.5%)、A−4は、2,179円(6.1%)A−3は、1,992円(5.7%)、A−2は1,755円(5.1%)となり、前年同月を上回っている。また、乳用種も和牛同様に前年同月を上回っており、B−3、B−2は、それぞれ1キログラム当たり932円(5.1%)、827円(7.4%)となった。

     特に、米国産牛肉の輸入一時停止により、乳用種、交雑種の脂肪交雑2の引き合いが強くなり、3等級との価格差が小さくなってきている。
  • ◇豚 肉 仲間相場、輸入冷凍品のうで、ももが高水準を維持

     9月のデンマーク産うで(冷凍品)の仲間相場は、1キログラム当たり420円(15.7%)となり、16年1月以降21カ月連続で前年同月を上回った。デンマークのほかに米国産、カナダ産のうでの価格はそれぞれ389円(15.1%)、426円(13.6%)となっておりデンマーク産と同様に高水準を維持している。また、カナダ産のももなども高止まりしており、これをうけて国産のうで、ももも堅調な価格が続いている。
  • ◇鶏 肉 ブラジル産もも肉、強気配

     9月のブラジル産もも肉は、1キログラム当たり398円(5.3%)、骨付きもも肉400円となった。鳥インフルエンザ発生の影響で輸入先がブラジルに一極集中しているが、ブラジルからの輸入量はほぼ3万トン台で推移している。年末年始の最需要期を控え、今後さらに引合いが強まることが予想されることから、ブラジル産鶏肉の価格は一段高が見込まれる。
  • ◇牛乳・乳製品 乳製品向け処理量、4カ月連続で前年同月を上回る

     9月の乳製品向け処理量は、241,305トン(7.7%)となり、前年同月を4カ月連続で上回った。この増加は、今夏の飲用牛乳の需要が伸びなかったことが影響していると思われる。

     乳製品生産量をみると、バターは5,005トン(5.9%)、脱脂粉乳は、11,842トン(3.9%)となり、前年同月を上回り、過剰在庫などが懸念される。

     また、今年度から国産チーズ対策が大幅に拡充され、需要拡大が期待されるチーズの生産量は、10,328トン(7.8%)となった。このうち、直接消費用ナチュラルチーズは1,231トン(14.9%)となり、前年同月を5カ月連続で上回った。
  • ◇鶏 卵 鶏卵輸入量、17カ月連続で前年同月を上回る

     9月の鶏卵輸入量は、11,802トン(21.6%)となり、16年5月以降17カ月連続して前年同月を上回った。また、17年1月から9月までの累計数量は前年同期比42.5%増となった。

     主な輸入先は米国(17年1月〜9月の輸入量シェア30.4%)、オランダ(同16.5%)、ブラジル(同12.5%)となっている。特に米国、ブラジルからは前年同期を大幅に上回る輸入量となっている。
  • ◇飼 料 配合・混合飼料生産量前年同月を上回る

     8月の配合飼料生産量は養鶏用、養豚用、乳牛用、肉牛用全て前年同月を上回り、全体では190万3千トン(5.2%)となり、混合飼料は4万5千トン(4.5%)となり、配合・混合飼料生産量は、194万8千トンとなり前年同月を4.5%上回った。

     昨夏の高温や、家畜飼養頭羽数の減少の影響などにより飼料生産量が減少したこともあるが、比較的高い伸びとなった。


元のページに戻る