6月の需給動向

調査情報部調査情報第一課

国内の主要畜産物の短期需給動向を毎月トレースします
・原データは、巻末の参考資料を参照してください。
・()内の数値は、対前年増減率です。

  • ◇牛肉 牛肉輸入量、4-6月は前年同期比3.1%増

     貿易統計による6月の牛肉輸入量は、前年同月をかなりの程度下回る43,746トン(▲9.2%)となった。これは、昨年6月の輸入量が前年同月比82.9%増と大幅に増加していたためで、19年3月以降、牛肉輸入量は4万トン台で安定的に推移している。この結果、4〜6月の累計は前年同期をやや上回る128,752トン(3.1%)となった。

     なお、米国からの輸入量は、6月に3,411トンとなり、18年7月の輸入再々開以来初めて3千トンを超え、全体の輸入量に占めるシェアは7.8%となった。
  • ◇豚 肉 豚のと畜頭数、前年同月を3万頭下回る

     食肉流通統計による6月のと畜頭数は、1,251千頭となり前年同月を約3万頭下回った。これにより、豚肉生産量は67,345トン(▲2.4%)となり、平均枝肉重量は76.9キログラム(▲0.2%)となった。

     養豚場における事故率は、慢性疾病の感染拡大などから増加傾向にあり、また、今後猛暑が予想されていることから育成状況への影響が懸念されている。なお、農林水産省が7月に公表した「肉豚生産出荷予測」によれば、7〜9月の出荷頭数は、3,864千頭で前年同期を1%上回ると予測されている。
  • ◇鶏 肉 中国からの鶏肉調製品のシェアが拡大

     貿易統計による6月の鶏肉調製品の輸入量は29,998トン(▲4.1%)となり、2カ月連続で前年同月を下回ったものの3万トンをベースに推移している。

     ただし、国別にみると、中国は18,731トン(4.6%)と3カ月連続で前年同月を上回って推移しているのに対し、タイは11,172トン(▲16.0%)となり2カ月連続で前年同月を下回っていることから、中国のシェアは、2カ月連続で6割を超えている。
  • ◇牛乳・乳製品 脱脂粉乳の在庫量は、前月に比べ3,800トン減少

     6月の脱脂粉乳の生産量は、14,005トン(▲4.9%)となり、12カ月連続で前年同月を下回った。4〜6月の累計では47,012トンとなり、前年同期を3.0%下回っている。この結果、6月の推定期末在庫量は、65,300トンとなり、前月から3,800トン減少した。

     一方、6月の推定出回り量は17,700トンとなり、前月から1,900トン増加するとともに、脱脂粉乳の大口需要者向販売価格は、14年1月以来65カ月ぶりに前年同月を上回った。
  • ◇鶏 卵 卸売価格低下で、5カ月ぶりに補てん金が交付

     6月の鶏卵の卸売価格(東京・M)は、1キログラム当たり154円となり、前月同月を17円下回った。

     この結果、今年度初めて19年度の補てん基準価格の166円を下回り、(社)全国鶏卵価格安定基金などは、6月の標準取引価格の152.58円との差額の90%相当額である1キログラム当たり12円の補てん金を交付した。
  • ◇飼 料 飼料用トウモロコシ輸入価格(CIF)、前年同月を71.7%上回る

     6月の飼料用トウモロコシの輸入価格(CIF)は、前年同月を1トン当たり約11,700円上回る同28,054円(71.7%)となった。シカゴ定期は、19年1月の1ブッシェル当たり400セントを超える高値から、3月以降わずかに下落し、同360〜390セントで推移したが、CIF価格は依然上昇を続けている。このほか、大麦は1トン当たり33,335円(82.1%)、こうりゃんは同28,786円(70.7%)、小麦は30,348円(64.9%)など、配合飼料原料のCIF価格は前年同月を大幅に上回って推移している。

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