ALIC/WEEKLY

週報「海外駐在員情報」


平成15年3月25日号(通巻571号)


EU委、TSE規則の移行期間延長を提案(full story)

【ブラッセル駐在員 山田 理 3月19日発】  EU委員会は3月5日、伝達性海
綿状脳症(TSE)の防疫、管理、撲滅に関する規則の移行期間について、これを
2年延長することを提案した。国際獣疫事務局(OIE)との牛海綿状脳症(BS
E)に関するリスク分類に当たっての判定基準の調整やEUが進めているリスク分
類判定作業が遅れているため、TSE規則の完全実施が困難であると判断したもの
とみられる。

先進的食肉回収システムにおける抽出検査を開始(米)(full story)

【ワシントン駐在員 道免 昭仁 3月19日発】 米農務省食品安全検査局(US
DA/FSIS)は3月3日、先進的食肉回収システム(Advanced Meat Recovery:
AMR)により、生産された食肉製品の安全性を確実にするための抽出検査を開始
したと発表した。
 なお、昨年、34施設を対象にAMRシステムにより生産された牛肉製品に中枢神
経組織などが含まれていないかなどの調査を行ったところ、最終製品の約35%に含
まれていた。

口蹄疫の発生を想定した経済的影響を報告(NZ)(full story)

【シドニー駐在員 粂川 俊一 3月19日発】  ニュージーランド(NZ)で口蹄
疫が発生した場合の影響についてのレポートが2月中旬、NZ準備銀行と財務省に
よって発表された。これは、首相内閣府が、政府の「危機管理」演習の一環として
口蹄疫が発生した場合のマクロ経済や財政上の影響を調査するよう依頼したもので
、NZで口蹄疫が発生した場合、家畜産業への直接的な影響だけでなく、国全体へ
の経済的な影響も大きいことを表している。食肉業界、生産者団体ともに、この想
定は起こり得る「現実的な」ものと評価しており、改めて検疫強化の重要性を訴え
ている。

ベトナム政府、ビナミルク社の民営化を承認(full story)

【シンガポール駐在員 小林 誠 3月19日発】 ベトナムの牛乳・乳製品の市場
シェアの70〜75%(推定)を占めるビナミルク社はこのほど、政府から民営化を承
認された。ベトナムは、86年に始まったドイモイ(刷新)政策により市場経済を取
り入れたが、この時形式的に公社化された国営企業・農場は、国際機関の勧告にも
かかわらず民営化が進んでおらず、同国にとって大きな懸案となっている。ビナミ
ルク社の民営化は、同国にとって最大の事例になるが、酪農開発を最重要課題の1
つとする同国にとっては、ビナミルク社による生乳の全量買上げ保証が生産拡大の
背景となっており、民営化後も同社がこれを維持できるかどうかが今後の注目点と
なる。

乳業メーカー、乳製品の輸出に向け弾み(アルゼンチン)(full story)

【ブエノスアイレス駐在員 犬塚 明伸 3月19日発】 アルゼンチン政府は牛乳価格を抑
制するため乳業メーカー5社と協定を結び、牛乳またはロングライフミルクの卸売
価格を2月末の価格に戻し、90日間据え置くこととした。これらの乳業メーカーは
乳製品の多くを輸出しており、政府はこの措置の交換条件として、アルゼンチン貿
易投資銀行(BICE)の資金1,070万ドルを乳製品輸出の融資に充てることを約束した。

 

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